おはようございます。こんにちは。こんばんは。
ミッド(@mid_v_lab)です
ニュースサイトを見ていたら、下記のようなニュースを見つけました。
案内文の中に、いくつか技術的な言葉があったので、下記のキーワードを解説したいと思います。
- グローバルIPアドレス
- NAT環境
- IPv4/v6デュアルスタック環境
このニュースを読んで、上記キーワードがよくわからない!と思った方は、是非この記事を読んでみてください。
なんで楽天モバイルのことで、福井のケーブルテレビが発表するのかな?と疑問に思ったのですが、ニュースを読んでみると
「福井のケーブルテレビでインターネット回線を引いている」かつ「Wifiで接続したときにRakutenLinkが片通話(不安定)となる」ということで、
楽天側に技術的なサポートを要求したけど、連絡くれなかったので発表したということですね。
たしかに特殊な条件下での発生でどっち責任か微妙なところですが、ユーザ視点からするときちんと動作しないのは困るので、双方で協力して解決してほしいですね。
グローバルIPアドレスとは
IPアドレスには2種類あります。
- グローバルIPアドレス
- ローカルIPアドレス
グローバルIPアドレスは、その名前の通り世界的なIPアドレスのことです。
グローバルIPアドレスは、国別に管理されていて、日本ではJPNICから管理移譲されたISPなどのインターネットサービスプロバイダで管理されています。
そのため、企業等で利用しない限りは、一個人としてグローバルIPアドレスを持つことはありませんが、契約しているプロバイダやキャリア毎にインターネットに出ていくときのグローバルIPアドレスが割り振られているので、
皆さんのパソコンやスマホがインターネットに出るときは、グローバルIPアドレスを持っています。
ローカルIPアドレスは、企業内や個人のネットワークのIPアドレスで、この管理は会社のネットワーク担当や個人になります。
IPアドレスはローカルIPアドレスの範囲であれば、どんな値でも割り振ることが可能です。
・ローカルIPアドレスの範囲
10.0.0.0~10.255.255.255
172.16.0.0~172.31.255.255
192.168.0.0~192.168.255.255
家で例えると、外に出ている表札が「グローバルIPアドレス」、家の中の部屋のドアに出ている「○○の部屋」が「ローカルIPアドレス」です。
NAT環境とは
NAT(Network Address Translation)環境は、ネットワーク上でIPアドレスを変換する技術です。
イメージが付きづらいと思いますので、下記の図をご覧ください。一般的な企業のネットワークとなります。
グローバルIPアドレスとは?で説明した通り、インターネット上で通信するにはグローバルIPアドレスを持つ必要があります。
企業内では、何十台~何千台といった規模のパソコンが存在するので、それら一つ一つにグローバルIPアドレスを持たせると、とんでもない量のグローバルIPアドレスと費用が掛かるので、現実的ではありません。
そのため、NATの技術を利用して、企業内のパソコンがインターネットの世界に旅立つときは、「133.0.0.5」という企業で持つ単一のグローバルIPアドレスに変換して、世に送り出しています。
AさんBさんCさんが、違うパソコンから同じブログサイトを見ても、アクセス元として記録されるのは、「133.0.0.5」という単一のグローバルIPアドレスとなります。
NATは、「外から見えるIPアドレスを一つに変換してくれる」技術とふんわり覚えておけばOKです。
よくFWなどで接続元を制限しているWEBサイトなどでは、「(通信許可するので)使っているIPアドレスを教えてください」と聞かれることもあると思いますが、決してローカルIPアドレスのことではないので注意しましょう。
IPv4/v6デュアルスタック環境とは
IPアドレスは、ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスという2種類があると説明しましたが、さらにIPv4という技術で発行されたIP、IPv6という技術で発行されたIPという2種類に分かれます。
参考例を出すと下記のような感じになります。数値が全然違うことだけ認識頂ければOKです。
IPv4 | IPv6 | |
ローカルIPアドレス | 192.168.0.2 | fe80::1db1:740d:85c9:ea9b%4 |
グローバルIPアドレス | 133.0.0.5 | 64:ff9b::b616:3be5(yahoo) |
Ipv4/v6デュアルスタック環境は、「IPv4のアドレスも、IPv6のアドレスも両方使える」環境ということです。
最近はIPv6の普及も大分進んでいて、デュアルスタック環境の方が多いと思います。
今回のつながらない事象のイメージ図
案内文を読むと、下記のネットワーク図になっているイメージです。
楽天回線を利用した場合は、スマホとグローバルIPが1対1で紐づくので問題は起きず、
自宅のローカルネットワークで、Wifi経由で接続した場合、ONUなどの機器でNATされるため、グローバルIPとスマホが1対1で紐づかないために、通信になんらかの不具合が生じるものと思われます。
一般的な家庭でのネットワークだと思うので、福井のケーブルテレビ固有で起こるのか、それとも他のケーブルテレビでも発生しうるのかは気になるところです。
「グローバルIPアドレスをご利用頂くと」というのが、個別でグローバルIPアドレスを持たせるということなのかな?と考えたので、下記の図のようにスマホ独自のグローバルIPアドレスを追加して、スマホとグローバルIPアドレスが1対1になっているとうまく通信できると仮定すると、RakutenLinkを利用するときのグローバルIPアドレスに紐づいているローカルIPアドレスが単一の場合しか考慮されていないのかもしれませんね。
ただ、RakutenLinkのためにグローバルIPアドレス追加するのは、なにか違うと思うので、めんどくさいですけどWifiを切って通話するのが一番早いかなと思います。
家にいるときはスマホはWifi環境で繋いでいる方が多いと思いますので、その環境で電話応答できないというのは、なかなかストレスかもしれませんね。
技術的な見解は楽天と福井のケーブルテレビ間でないとわからないので、案内文に出ているちょっと一般の人に馴染みのない用語を解説しました。
うちの親も「Wifiって何?」って感じなので、「グローバルIPアドレスが~」って案内されても「???」って頭に浮かぶ人しかいない気がします。
ではでは