おはようございます。こんにちは。こんばんは。
ミッドです。
愛犬・愛猫のクローンペットを作る事業があるという記事を目にしたので、クローンってそもそもどういう技術だっけ?というところと、倫理的な面は置いておいてクローンペットについての意見を述べたいと思います。
クローンという技術
クローンの語源は、ギリシャ語の「Klon=小枝」から来ており、生物学的には「遺伝的に同一である個体や細胞(の集団)」を指します。クローン羊のドリーの話は皆さんも聞いたことがあるのではないかと思います。一卵性双生児も生物学的な定義としては、クローン人間といえます。(倫理的にそんなこと口に出せないですけど)
クローンの作り方をざっくり書きますが、クローンを作りたい生物の細胞から核(遺伝子情報の塊、DNA)を引っ張り出します。同一生物の未受精卵から核を取り除き、取り出してきた核を注入します。あとは、母体となる個体にクローンしたい核を送り込んだ受精卵を着床させ、あとは通常の出産の流れで、誕生させればクローンの完成です。
クローンのデメリット
クローンのデメリットは、おおきく下記2点だと思います。
- 高い技術と設備が必要(ゆえに、高コスト)
- 遺伝的には同一でも、同一の個体ではない(同じ病気で亡くなるリスクは継続)
- 寿命が短い可能性(変わらないという情報も有)
まず高い技術力と設備が必要となるので、高いコストがかかります。中国で始まったクローンペットのビジネスでも、犬が約600万円、猫が約400万円掛かるそうです。すごい高いと思うかもしれませんが、体細胞から核を取り出して~などの技術は誰でもできることではなく、技術料や設備費等を考えると、これでも安価なほうです。
私が大学で生物学を学んでいたときは1000万以上とかを余裕で超えていたと思いますので、技術の進歩でビジネスにする人が出てきて、600万程度に費用が下がってきているんだな、という印象です。
ペットという観点では、クローンは決して同一の個体ではありません。遺伝的に同一の生物なだけであって、愛犬・愛猫と同じ個体ではありません。遺伝的要素は同じですので、姿形や鳴き声なんかは似ているかもしれませんが、後天的に得る性格などは同一になるとは限りません。
また、もし特定の病気(遺伝疾患)などで亡くなっている場合、クローンは同一の遺伝子情報を持っているので、同じ病気を発症し亡くなるリスクは継続して発生します。事前にわかっているので、対策は可能かもしれませんね。
最後に寿命ですが、クローン羊ドリーが短命でこの世を去ったように、クローンはテロメアという細胞分裂にかかわる部分は削れた状態で生まれてくるので、老化が早いと言われています。
しかし、クローンペットでそこらへんどうなっているのかな~と調べたところ、確かなソースにはたどり着かなかったのですが、テロメアの減少が個体の寿命への影響はないという情報も見つけたので、寿命に関しては特に変わらないかもしれません。(生物学離れて長いので、あとで最近の動向をチェックしたいと思います)
クローンおよびクローンペットに望まれること
私自身はクローンペットは別にいらないかなと思っています。それは、例え遺伝的に同一であっても共に年月を過ごした愛するペットとは違うからです。遺伝子情報が同一の個体であった、愛したペットではない。
様々な考えの方がいらっしゃるので、愛したペットと別の個体でも、同じ遺伝子情報の個体を作り、また人生を共にしたいという考えも、一つの愛のカタチだと思いますので、そういったクローンペット産業を否定する気はないですし、利用するのはおおいに結構だと思います。ただ上記でも述べたように、クローンペットは同じ遺伝子情報をもった「別の個体」ですので、その点に関しては認識しておいた方が良いと思います。
クローンという技術に関しては、私はすごい期待していて、クローン人間を作って人間の代わりに働かせるとかそういうことではなく(ここら辺の論争はAIとかロボットも一緒ですね)、例えば高品質なお肉を安定供給するために、良い個体を増やすのに使ったり、家庭菜園で、プランターみたいな環境でも良く育って収穫サイクルも早い野菜を作るとか、人の生活を豊かにする使い方は、全然OKだと思います。
そこには、安全性とか倫理観とかが色々あるんでしょうけど、技術が進歩してそういったクローンを安価に作れるようになった時に、地球の人口問題や環境など様々な点を考慮して、正しく技術を使っていけばいいのだと思います。
普通の農業や畜産業と違い、育っている過程がブラックボックスなので、なかなか認知されにくいのだと思いますが、50年・100年先には世の中で十分な認知を受けている技術になっていると良いですね。
ではでは